ヒバナは超超零細弱小企業です。企業っていうのも形式上法人なので企業であるだけで、中身は私代表の神林そのものです。
起業するまでは、サラリーマンとして自分の時間を切り売りしていましたが、起業してからは自営業として自分の時間を切り売りすることに変わっただけです。儚いです。
大きな企業にとって「属人化」という言葉はあまりポジティブな言葉では無いのかもしれません。しかし、私はこの属人化というものを最大限武器として活用したいと考えています。
最近、ちょっと良い靴を買いました
最近、奮発して革靴を買いました。私の大切なお客様に靴屋さんのお客様がいるのですが、その方から買わせていただきました。正直、私にとってはかなり背伸びをした靴で、まだまだ私にとっては不釣り合いな立派な靴です。でも今回はどうしても買いたかったんです。普段私はあまり物欲が無い方なのですが、しばらくの間はこの靴が欲しくて欲しくてたまらない日が続いていました。
なぜ欲しかったかというと、もちろん見た目も素敵だったのですが「良い靴を履けば、その靴が良いところへ自分を連れてってくれるのではないか」と信じていたからです。根拠はありません。ちょうどヒバナを起業するタイミングだったので、自分に縁起を担がせたかったのだと思います。
このお客様の靴屋さんは、当たり前ですが靴を販売されています。一般的には高級革靴と言われるグレードの靴を取り扱っていらっしゃいます。私は今まで、靴はチェーン店で安い靴しか履いたことがありませんでしたし、一番よく履く靴はユニクロで買った真っ黒い靴です。(今もよく履きますし、気に入ってます。)高級靴なんて無縁だったし、ファッションにも疎くどちらかというと自信はないため、御縁をいただいた最初の訪問時、こんな高級靴屋さんに入るのは正直場違いでありド緊張していました。
しかし、お話するととても気さくな社長様(以後N社長)とご家族で、その緊張もすぐに溶け、高級靴のすてきな世界をいろいろと教えていただきました。とても感謝しています。
靴屋だけど、靴を売っていない
というと語弊がありますが、たぶんこの靴屋さんは靴を売っていないんです。だって、話を聞くと、県内はもちろん、遠く九州からわざわざ来店されるお客様もいるとか。わざわざ靴を買うために、そんなに旅費をかけるでしょうか?
この靴屋さんで販売されている靴は、基本的にはメーカーから仕入れた市場に流通している靴です。もちろん、ネットでも同じものを購入できます。高級靴の世界は、そこまでロットが多いものではありませんので、他のお店にも在庫がないということも0ではないようなのですが、だからと言ってわざわざ九州からはるばる買いに来るというのはちょっとクレイジーです。(いい意味で、クレイジー!)
でも、こう考えると理解できるんです。そのお客さんが求めていることはその靴を手に入れることではなく、「わざわざ旅行をしてまでお店に来店し、N社長やご家族と雑談し、そこで靴を買って家まで帰ること。自分にとってのそんな場所があること」に価値を感じられているんだと。ちょっと、サードプレイスに近い概念かなと思いました。
つまり、靴は手段であり、目的は感情なんだと思います。そして、その感情の本質をつくっているのは、N社長とご家族なんだと私は考えています。とても属人化だと思います。でもこの属人化って、めちゃくちゃ強くないでしょうか。私もそんな人になりたいと思っています。
属人化により生まれる価値を仕組み化してみたい
有り難いことに「神林さんに来てもらえると、建設的な話ができて前向きになれるよ。」こんな言葉を少しずつですがいただけるようになりました。THE 属人化です。有り難いなと思い嬉しい反面、私が今死んだら、ヒバナとして継続したサービス提供できないなと少し申し訳なく思います。
でも、思うんです。別に私というものに属人化させなくても良いと。大切なことは「属人化することによって生まれる価値」であり、それを仕組みで提供できれば属人化を回避でき、強い組織がつくれるのではと。
これはただの仮説であり正しいかはわかりませんが、今後ヒバナとして検証していきたいと思います。