先日、ある社長さんに紹介されて参加したセミナーがありました。2日間みっちり缶詰で、経営の話を“これでもか”というくらい浴び続けるというコンセプトのセミナーです。あまりに情報量が多く、途中で頭がパンクしそうになりました(笑)。
そんな大量の学びの中でも、今でも強く記憶に残っている内容があります。それが「目標設定の立て方」についての話でした。
実は、目標設定には2つのアプローチがあり、しかもこの2つは性質がまったく違うということ。今日は、そのお話をシェアします。
1.目標設定の立て方「課題解決型」
1つめは、課題解決型の目標設定です。これは、現状の課題を特定し、それを改善しながら一段ずつ階段を登っていく方法です。

「問い合わせが少ないから改善しよう」「業務が遅いから整えよう」など、積み重ねの改善は企業にとって大事な基礎体力づくりと言えます。
ただし、課題解決型は“マイナスをゼロに戻すアプローチ”になりやすいという特徴があります。ゼロに戻すことは大事ですが、それだけでは0→1、1→10、10→100といった成長にはつながらない可能性があります。

↑一歩ずつ確実に進んで入るものの、目指すべき姿は実は全くベクトルの違う方向だったということも。
2.目標設定の立て方「ゴール逆算型」
もう一つが、先ほどとは真逆のアプローチ、ゴール逆算型の目標設定です。これは、先に叶えたい姿を描き、そこから逆算して今やるべきことを決めていくスタイルです。
「3年後に●●の分野で地域No.1になりたい」「全国から問い合わせが来る会社にしたい」など、未来の姿を明確にすることで、目の前の改善だけでは見えなかった“本当に必要な行動”が浮かび上がることがあります。
課題解決型が“階段を登る方法”なら、ゴール逆算型は“山頂からルートを引く方法”です。

↑叶えたい姿から逆算すると、今いる階段からはジャンプしなければならないかもしれない。
3.課題解決型だけでは“本当に重要な20%”を見落とす理由
ここで出てくるのが、80:20の法則(パレートの法則)。成果の80%は20%のことが要因になっているという考え方です。
しかし課題解決型だけで目標を立てていると、どうしても目の前の問題ばかりに目がいきます。本当に重要な20%を見落としてしまう可能性があるんですね。
4.2つの目標設定を「両方やる」のが最強
課題解決型は土台づくりに必要で、ゴール逆算型は未来を描くために必要。どちらが正しいという話ではなく、両方をバランスよく使うことが大切です。
課題解決型だけでは近視眼的になり、ゴール逆算型だけでは地に足がつかない。だからこそ、両輪で進めることで初めて理想に近づけます。
まとめ——目標設定は“未来からの手紙”
目標を現状から考えると小さくまとまりやすいですが、未来から逆算すると“本当に大事な20%”が見えてきます。
- 課題解決型:現状→改善(マイナスをゼロへ)
- ゴール逆算型:未来→現在(理想へ近づくための道筋)
ぜひ、この2つを組み合わせながら、“叶えたい姿”から逆算した目標設定を実践してみてください。未来を描いた瞬間に、今日やるべきことも変わって見えるはずです。





