まずはおさらい:認知を広げる手段は“検索以外”にもある
これまで、SEO(検索)やMEO(Googleマップ)、SNS集客についてお話してきました。これらは「探している人が自分から見つけに来てくれる導線」です。
一方で世の中には、今すぐ困っていないけれど、良い情報なら知りたい人、必要になったときに思い出せる会社を持っておきたい人がたくさんいます。
こういった人たちにアプローチできるのが、今回のテーマであるWEB広告(オンライン広告)です。
WEB広告とは「お金を払って見つけてもらいやすくする仕組み」
広告というと「押し売りみたい」「難しそう」というイメージがありますが、本質はとてもシンプルです。
WEB広告とは、見つけてもらえる状態をお金で買うこと。
しかもWEB広告は、性別・年齢・地域・興味関心で絞れ、少額で始められ、効果が数値で見えるのが特徴です。中小企業でも十分活用できる施策です。
中小企業が知っておきたい「3種類のWEB広告」
① Google検索広告(今すぐ客を取りにいく広告)
ユーザーが検索した瞬間、検索結果の上部に表示される広告です。「千曲市 外壁塗装」「長野市 脱毛」など、検索している=興味が高いため、問い合わせにつながりやすい広告です。
② ディスプレイ広告(認知に向いている広告)
ニュースサイトやブログ、アプリに表示される画像付き広告です。目的はただ一つ、思い出してもらうこと。
「よく見る会社だな」という印象を作り、将来のお客さん候補にじわっと認知を広げます。
③ SNS広告(Instagram / Facebook / X / TikTok)
SNS広告は、画像広告や動画広告を使って、興味関心のありそうな人へ直接アプローチできる広告です。
検索広告が「探している人」に向けた広告だとすれば、SNS広告はまだ探していない人に気付いてもらうための広告です。
● SNS広告で共通してできること
- 画像広告 … 商品やサービスを直感的に伝えられる
- 動画広告 … 雰囲気・人柄・現場の様子を短時間で伝えられる
- ターゲティング … 年齢・性別・地域・興味関心を細かく設定可能
- 自然な表示 … タイムラインに自然に流れ、認知が広がりやすい
予算は少額ずつでも、上記のいくつかを併用して実施することで成果は出やすくなります。
「認知系広告」と「獲得系広告」は目的が違う
▼ 認知系広告(まず知ってもらう広告)
- ディスプレイ広告
- SNS広告(画像・動画)
目的:今すぐ客ではなく、将来のお客さん候補に存在を知らせること。
▼ 獲得系広告(問い合わせ・来店を狙う広告)
- Google検索広告
目的:「今すぐ探している人」を取りにいくこと。
中小企業がWEB広告で失敗する3つのパターン
① ターゲットが曖昧
誰に見せたいのかを決めないと、広告費がスルスル消えていきます。WEB広告の良いところは、ターゲットに合わせて広告を配信できること(例えば、地域や年齢層、興味関心や検索した言葉など選べます!)。ターゲット選定は必須中の必須です。
② LP(ランディングページ)が弱い
LP(ランディングページ)とは、広告をクリックした後に飛ぶページのこと(ランディング=着地)です。実は、広告を実施する場合、ランディングページを準備しておくことが必須と言って良いくらい重要になります。ランディングページの重要性を例えるなら、「新聞広告でセールのお知らせをPRしてるのに、お店に行ったらセール商品が少ししか無かった」というようなものです。ランディングページについては、また別の機会で取り上げます。
③ 広告単体で成果を出そうとする
広告は魔法ではありません。ホームページ、事例紹介、ブログ、Googleマップなど土台があるほど効果が伸びます。WEBマーケティングでは、総合点を高めていきましょう。
WEB広告の費用感(初心者向けザックリ版)
- 月3〜5万円 … 認知目的のテストに最適
- 月5〜10万円 … 検索広告と合わせて効果が見えやすい
- 月10万円〜 … 本格的に問い合わせを増やしたい企業向け
このあたりは、商材によっても異なります。商材単価の高いものであれば1受注・1アポイントの価値が高まるため、広告の投資価値は高くなりますが、商材単価の低いものは多くかけるのは難しいかもしれません。
WEB広告の課金方法
多くの場合、クリックされたらいくらという「クリック課金方式」であることが多いです。検索広告であれば1クリック100円〜、画像や動画広告であれば1クリック10〜50円程度が目安でしょうか。地方企業の場合はもっと安いケースもあります。広告が流れてきて見ただけでは課金されないことは、従来のTVや新聞などのアナログ広告との大きな違いとなっています。このあたりも中小企業におすすめな要因のひとつです。
広告を始める前に決めておくべき3つのこと
① 誰に届けたいのか(ターゲット)
年齢、地域、興味関心を具体化する。
② 何を伝えたいのか(オファー)
割引よりも「相談しやすさ」「事例紹介」のほうが効果的。
③ 目的はなにか?
認知? 集客? 採用? 目的によって選ぶ広告が変わります。
このあたりは、打ち合わせを重ね明確にしていきましょう!
まとめ:広告は「増幅装置」。土台がある企業ほど強くなる
WEB広告は、使えば一気に売上が伸びる “魔法のスイッチ” ではありません。でも、正しく使えば、これまで届かなかった人に確実に届く、とても強力な道具 です。
広告が本来つくってくれるのは、「あなたの会社を知らなかった人が、初めて知る瞬間」。そしてその積み重ねが、時間をかけて“売れる体質”を育てていきます。
大切なのは、広告単体に期待しすぎないことです。土台となるホームページ、Google マップ、事例、ブログ、日々の発信があってこそ、広告の効果は何倍にも膨らんでいきます。





