こんにちは、合同会社ヒバナの神林です。
これまで、このブログではSEO、MEO、SNS、WEB広告、プレスリリースなど、さまざまなWEBマーケティング施策を個別に紹介してきました。どれも大切な要素なのですが、実は多くの方からこんな声をいただくんです。
「ひとつひとつは分かるんだけど、結局どれから始めればいいの?」
「全部必要そうだけど、自社で何を優先すればいいのかが分からない…」
そうなんですよね。WEBマーケティングの世界は、単語も多く専門用語も飛び交います。しかし本来は、“成果につながる一連の流れ”さえ理解できていれば、必要以上に難しく考える必要はありません。
そこで今回は、これからWEBマーケティングを始めたい企業が、「何をどの順番で実行すればよいか」をまとめた全体地図を紹介します。
この記事を読めば、今までバラバラだった知識が線でつながり、
「なるほど、こう動けば成果が積みあがっていくのか!」
とイメージできるようになります。
これからWEBマーケを始めたい方に、ぜひ読んでもらいたい内容です。
1.まずは「チーム」を明確にする(ここがすべての土台)
WEBマーケティングは「ひとりの頑張り」では続きません。忙しい日々の中で、どうしても
- 「今日はやめておこう」
- 「来週に回せばいいか」
と先延ばししてしまうからです。
これはサボりではなく、人間として自然なことです。だからこそ、はじめの一歩は「チーム編成」です。
◆ チームは最低2人以上が理想
2人いれば、
- 役割分担ができる
- お互いを“見ている存在”として意識できる
- 「やらない理由」を潰しやすくなる
など、行動が圧倒的に続きやすくなります。
チームがあるだけで、「やらざるを得ない環境」=成功しやすい環境が勝手に出来上がります。
「1人マーケ」は、プロでも折れます。だからこそ、仲間づくりこそ最初で最大のマーケティング施策です。
2.「目標」を明確にする(数字は人を動かす)
チームができたら、次は目標設定です。
ただし、「問い合わせが増えればいいな〜」という曖昧な目標では行動は続きません。目標は必ず数値化します。
◆ 例えばこんな目標
- 毎月の問い合わせを5件獲得する
- 採用エントリーを毎月10件獲得する
- カタログ請求を月3件発生させる
たったこれだけで、「今の状態との差」=やるべきことがハッキリしてきます。
数字は人を動かします。数字があると、チームが同じ方向を向くようになります。
3.会議を定例化する(1〜2週間ごとが理想)
WEBマーケティングの本質は、「思いつきの施策をやること」ではなく「継続の仕組みを作ること」です。
そのために必要なのが定例会議です。
◆ 理想は1〜2週間に1回
- 毎回、施策の状況を確認する
- 次のアクションを決める
- その場で課題を共有する
1ヶ月に1回だと間が空きすぎて、
- 「まあ今月はいいか…」
になり、プロジェクトが止まってしまいます。
◆ 人は締切前に動く
これは科学的にもよく言われることですが、人は締切直前になってエンジンがかかりやすい生き物です。だからこそ、締切を短く、小刻みにすることで行動量が増えていきます。
◆ どうしても1〜2週間の会議が難しい場合は?
中小企業では、全員の予定を合わせるのが大変なことも多いですよね。その場合は、チャットやメールで「2週間ごとの進捗報告」をルール化するだけでも効果があります。
例えば、次のような形です。
- 2週間に一度、「この2週間で実施したこと」をチャットに投稿する
- メールで「今回のアクションと進捗」をシンプルに共有する
- 次の2週間でやることを3行で宣言する
これだけでも十分に締切効果は働きます。なぜなら、「何も進んでいませんでした」とは言いにくいからです。
人は、「誰かに報告する場」があるだけで自然と行動が変わります。対面での会議が難しくても、報告の習慣化さえできれば、プロジェクトはちゃんと前に進んでいきます。
4.数値の仮説を立てる(これが最重要のステップ)
多くの企業が、ここを飛ばしていきなり施策に取りかかってしまいます。その結果、
- SEOをやっても成果が出ない
- 広告を出しても意味がない
- SNSを続けても問い合わせにつながらない
という状態になりがちです。
では、数値の仮説とは何か?
「目標を達成するために、どの数字をどのくらい改善すれば届くのか」をあらかじめ考えておくことです。
ここで使うのがアクセス解析です。アクセス解析の基本は、こちらの記事にまとめています。
◆ 例:現状がこんな状態だとします
- サイト訪問数:500
- 問い合わせページ訪問数:10
- 問い合わせ件数:2
目標が「月5件の問い合わせ」であれば、必要なのは250%の伸びです。
では、その250%をどう作るか?考えられる方法は大きく3つです。
方法①:訪問数を増やす(例:500 → 1,250)
単純にアクセス数を増やすパターンです。ただし、地域や業種によってはそもそもの母数に限界があるため、現実的でない場合もあります。
方法②:問い合わせ完了率を上げる
フォーム改善などによって、問い合わせ完了率を上げるパターンです。ただ、すでに20%など高い水準にある場合は、ここを伸ばすのは難易度が高くなります。
方法③:複数の数字を少しずつ改善する
一番現実的なのはこのパターンです。
例えば、次のような数値を目指すとします。
- 訪問数:800
- 問い合わせページ遷移率:5%
- 問い合わせ完了率:15%
この場合、
- 800 × 5% = 問い合わせページ訪問数 40
- 40 × 15% = 問い合わせ 6件
となり、目標の5件を上回る結果になります。
このように、目標を細かく分解していくことで、
- 今回必要なのはSEOだな
- いや、まず導線改善を優先すべきだな
といった具合に、施策の優先順位が見えるようになります。
今回の例で言えば、必要なのは次の2つです。
- 月300アクセスを増やすための集客施策
- 問い合わせページに誘導する導線改善
ここまで落とし込めると、「何をすればいいのか」が一気に具体的になります。
5.アクション(施策)を決める
数値の仮説が決まると、「では実際に何をすればいいのか?」がはっきりしてきます。
◆ 集客施策が必要な場合
アクセス数を増やす必要がある場合は、例えば次のような施策が候補になります。
自社の状況(できていること・まだ手をつけていないこと)に合わせて、どの施策から着手するかを選びます。
◆ 導線改善が必要な場合
「アクセスはあるのに問い合わせが少ない」という場合は、導線に問題があることが多いです。例えば次のような点を確認します。
- アクセスの多いページに、問い合わせフォームへの導線があるか
- スマホでも押しやすい位置にボタンが配置されているか
- 「このサービスに興味を持った人」が次にどこへ進めばいいかが分かりやすいか
◆ フォーム改善が必要な場合
問い合わせフォームの完了率は、業種にもよりますが、目安としては16%(6人に1人が最後まで完了するイメージ)がひとつの基準です。
フォーム改善のポイントはこちらの記事で詳しく解説しています。
なお、集客が増えてくると、どうしても問い合わせ完了率は下がる傾向があります。そのため、早めの段階からフォームの改善に取り組んでおくと、安定的に成果を出しやすくなります。
◆ 「誰が」「いつまでに」やるかを決める
施策を決めるときに、忘れてはいけないのが「担当者」と「期限」をセットで決めることです。
これが決まらないと、ほぼ確実に前には進みません。
- 〇〇さんが、△月△日までに、SEO記事を1本書く
- □□さんが、次回会議までに、問い合わせ導線の改善を3つ実施する
このように決めることで、チームとしての進み方が大きく変わります。
6.実施状況の確認
定例会議やチャット報告のタイミングで、前回決めた施策の実施状況を確認します。
ここで大事なのは、「できなかったことを責めない」ことです。
大事なのは、
- なぜできなかったのか
- どうすれば次はできそうか
をチームで言語化することです。
この「振り返り」と「改善」の積み重ねこそが、成果につながる最短ルートです。
7.次回会議を設定する
最後に、次回の会議日程を決めます。
「毎月第〇曜日」と決めていても、予定が重なることもありますので、必ずメンバー全員の予定を確認しておきましょう。
継続の仕組みは、この「次回日程の確定」でほぼ決まります。
まとめ:WEBマーケティングは「仕組み化」できた企業から成功する
WEBマーケティングの本質は、
- チームを作り
- 目標を定め
- 会議や報告の場で進捗を確認し
- 数値の仮説を立て
- 必要な施策を実行し
- また改善する
という、いわば「地味な継続」です。
でも、この地味さこそが強い企業の秘密だと私は思っています。
ホームページを作るだけでは成果は生まれません。仕組みをつくり、回し続ける企業が成果を手にします。
この記事が、あなたの会社にWEBマーケティングの仕組みを導入するための、最初の一歩になれば嬉しいです。





